会議の録音やスマホのボイスメモを聞き返すと、エアコンの音やサーッという雑音が気になることがあります。声に重なっている背景音を減らしたいときは、ノイズ軽減ツールを使う方法があります。
Browser Kittyの「Voice Cleaner」は、録音した音声の背景ノイズをブラウザ上で軽減するツールです。MP3・M4A・WAVなどのファイルを読み込めるほか、マイクから直接録音することもできます。
音声データをサーバーへアップロードする必要はなく、登録やインストールも不要です。
ただし、どんな雑音でも取り除けるわけではありません。まずは10秒だけ試し、声が聞き取りやすくなるか確かめてから使うとよいでしょう。
1. ノイズを減らしたい音声を読み込む
「Voice Cleaner」を開き、「ファイルを選択」から録音データを読み込みます。PCならドラッグ&ドロップでも構いません。
MP3・M4A・WAVのほか、AAC・OGG・WebM・MP4なども読み込めます。ただし、対応する形式はブラウザによって異なります。
新しく録音する場合は「録音する」を押し、マイクの使用を許可してください。
ファイルサイズの上限は250 MB、音声の長さは60分です。
2. 雑音が気になる場所から10秒だけ試す
ファイルを読み込むと、音声の波形が表示されます。
雑音が気になる位置をクリック・タップするか、波形をドラッグして再生位置を合わせます。
続いて「現在位置から10秒試す」を押すと、その位置から10秒間の音声にノイズ軽減処理がかかります。
長い録音を最初から全部処理する必要はありません。まず短い範囲で、どの程度変わるか確認できます。
3. 元の音声と処理後を聞き比べる
処理が終わったら、「元の音声」と「処理後」を切り替えて聞いてみましょう。同じ再生位置で比較できるので、違いを確認しやすくなっています。
ここで確認したいのは、雑音が減ったかどうかだけではありません。
エアコンやファンの音が小さくなっていても、話し声がこもったり、不自然に聞こえたりすることがあります。声そのものが聞き取りにくくなっていないかも確かめてください。
Voice Cleanerにはノイズ軽減の強さを調整する機能はありません。処理後の音声が不自然なら、元の録音をそのまま使う方がよい場合もあります。
4. 問題なければファイル全体を処理する
10秒間の結果がよければ、「ファイル全体をきれいにする」を押します。
処理中は進捗が表示され、途中でキャンセルすることもできます。
なお、10秒の試聴結果をそのまま保存することはできません。WAVファイルとして書き出すには、全体の処理が必要です。
処理は端末内で行われます。録音が長い場合や、メモリの少ないスマホでは時間がかかったり、処理に失敗したりすることがあります。
5. WAVで保存する
全体の処理が終わったら、もう一度元の音声と聞き比べます。
問題がなければファイル名を確認し、「WAVで保存」を押してください。元の録音ファイルが上書きされることはありません。
保存形式は、16 kHz・モノラル・16-bit PCMのWAVに固定されています。
MP3やM4Aを読み込んだ場合も、その形式のまま保存することはできません。また、元の音声がステレオでも、保存時にはモノラルになります。
MP4などの動画ファイルを読み込んだ場合も同様です。保存されるのは音声だけで、映像付きのMP4には書き戻せません。
減らしやすいノイズと、難しいノイズ
Voice Cleanerが主に対象としているのは、話し声の背景にある雑音です。
例えば、エアコンやパソコンのファンが鳴り続ける音、マイクに入るサーッというノイズなどです。
一方で、近くにいる別の人の話し声や音楽、強い反響、突然の大きな物音は、十分に除去できないことがあります。
また、背景音が減っても、声の音質まで変わってしまう場合があります。大切な録音は、処理後のファイルだけでなく元のファイルも残しておきましょう。
スマホで使う場合
スマホでは、画面下部の「音声」「ノイズ軽減」「保存」を切り替えて操作します。「保存」が使えるようになるのは、ファイル全体の処理が終わってからです。
マイクから録音する場合は、ブラウザのマイク権限が必要です。
また、ダウンロードした単一HTMLファイルを直接開いた場合、ブラウザによってはマイクが使えません。その場合はHTTPS版を利用してください。
音声ファイルを読み込めないときは、ブラウザがその形式に対応していない可能性もあります。別の形式に変換してから試す方法があります。
録音データはサーバーに送られる?
Voice Cleanerでは、音声の読み込みからノイズ軽減、WAVファイルの作成まで、ブラウザ内で処理します。
読み込んだ録音データや処理後の音声を、変換のために外部サーバーへアップロードすることはありません。
ノイズ軽減にはGTCRNというAIモデルを使っていますが、このモデルもHTMLに含まれており、端末内で動作します。
Web版ではページを開くための通信が発生しますが、音声の処理自体にネットワーク接続は必要ありません。配布されている単一HTML版なら、対応ブラウザでオフライン処理も可能です。
Voice Cleaner
録音した声の背景ノイズを軽減し、処理前後を聞き比べてWAVで保存するブラウザツールです。
参考資料
対応形式、操作方法、制限事項はVoice Cleanerの公開READMEを参考にしています。背景ノイズ軽減モデルについてはGTCRNの公開資料を参照してください。
- Voice Cleaner Voice Cleaner日本語README・使い方と制限事項
- GTCRN GTCRN:軽量な音声ノイズ軽減モデル