棚を取り付けたときや、机・家電を設置したときに、「これ、ちゃんと水平になっている?」と気になることがあります。

水平器があればすぐ確認できますが、ちょっとした調整のためだけに専用工具を用意するのは面倒です。そんなときは、スマートフォンを簡易的な水平器として使えます。

スマホには本体の向きや傾きを検出するセンサーが搭載されており、対応しているブラウザなら、その値をWebページから利用できます。

Browser KittyのPocket Levelでは、アプリをインストールせずに、水平・垂直、傾斜角、勾配%、前後・左右の2軸の傾きを確認できます。気泡と角度を見るだけでなく、ゼロ設定、読み値の固定、2秒平均、180°反転による2点校正なども利用できます。

スマホだけで水平を測れる仕組み

スマートフォンには、本体の向きや動きを検出するためのセンサーが搭載されています。対応ブラウザでは、その傾き情報をWebページから取得できます。

Pocket Levelはこの値をもとにスマホの傾きを計算し、角度や画面上の気泡として表示します。カメラで対象を撮影し、画像から角度を推定しているわけではありません。測っているのはスマートフォン本体の傾きです。

そのため、測定するときはスマホを対象の面へ置いたり、辺を当てたりして使います。

1. スマートフォンでPocket Levelを開く

まず、水平を確認したいスマートフォンでPocket Levelを開きます。

PCでもページ自体は開けますが、測定には端末の傾きを取得できるセンサーが必要です。基本的にはスマートフォンやタブレットで使います。

インストールは不要なので、必要なときにブラウザから開くだけです。

2. 「測定を開始」を押す

Pocket Levelを開いたら「測定を開始」を押します。

端末やブラウザによっては、モーションセンサーや傾きセンサーへのアクセス許可を求められます。確認画面が表示されたら、内容を確認して許可してください。

センサー値を取得できていないのに、0.0°を測定結果として表示し続けることはありません。測定できない場合は、ブラウザがDevice Orientation系のAPIに対応していない、センサーの利用が許可されていない、HTTPS環境が必要、センサーイベント自体が届いていない、といった原因を確認できます。

  • Device Orientation系APIに未対応
  • センサー利用の権限が許可されていない
  • HTTPSなどSecure Contextが必要
  • APIはあるが有効なセンサーイベントが届いていない

3. 机や棚の上面なら「平面」を使う

机、棚板、床、機器の天板など、平らな面を測るときは「平面」モードを使います。

スマートフォンを測りたい面へ平らに置くと、前後・左右の2方向の傾きを同時に確認できます。たとえば、左右方向はほぼ水平でも、手前側へ少し下がっている、といった状態も分かります。

1方向だけでなく、面全体がどちらへ傾いているか確認したいときに向いているモードです。

カメラの出っ張りやケースに注意

平面を測るときは、スマホそのものの形にも注意してください。最近のスマートフォンは背面カメラが大きく出っ張っていることがあります。ケースに厚みや段差がある場合も、測定面へきれいに接触しないことがあります。

センサーが正しくても、スマホ自体が斜めに置かれていれば、その傾きがそのまま測定値に出ます。数値がおかしいと感じたら、まずは端末が安定して接地しているか確認してみてください。

4. 棚板の辺や壁なら「辺・垂直」を使う

棚板の端、柱、壁などを確認するときは「辺・垂直」モードを使います。こちらは1軸の角度を確認するためのモードです。

棚板の端が水平か、柱が垂直か、家具の側面が傾いていないか、といった確認に使えます。

スマートフォンの辺を対象へ直接当てるため、側面のボタンやケースが邪魔をしていないかも確認してください。

  • 棚板の端が水平か
  • 柱や壁が垂直か
  • 家具の側面が傾いていないか

5. 角度だけでなく勾配%も確認できる

Pocket Levelでは、角度とあわせて勾配%も確認できます。

「何度傾いているか」ではなく、「水平距離に対して高さがどれくらい変化するか」という割合で見たいときに使います。緩やかな傾斜の場合は、角度より勾配%で見た方が感覚をつかみやすいこともあります。

ただし、スマートフォンを使った簡易測定です。施工基準など、厳密な数値が必要な用途では専用の測定器を使用してください。

測定しやすくする補助機能

そのまま角度を見るだけでも使えますが、Pocket Levelには測定を補助する機能もあります。

基準の変更、読み値の固定、短時間平均、安定度表示を組み合わせると、置きにくい場所や数値が揺れる場面でも確認しやすくなります。

今の角度を基準にする「ゼロ設定」

測りたいのが、必ずしも地面に対する完全な水平とは限りません。たとえば、「この面を基準にして、別の面との角度差を見たい」という場合は「ゼロ設定」が使えます。

基準にしたい位置でゼロ設定を行うと、その状態を0°として、それ以降の角度差を確認できます。同じ傾斜を持つ2つの部材をそろえたい場合などにも使えます。

なお、ゼロ設定は「その面が本当に水平か」を確認する機能ではありません。あくまで現在の角度を基準値として扱う機能です。

測ったあとで画面を見たいときは「固定」

対象へスマホを当てた状態では、画面が見づらいことがあります。そこでスマホを持ち上げてしまうと、当然ながら角度も変わってしまいます。

そんなときに使えるのが「固定」です。測定位置で読み値を固定しておけば、スマホを対象から離してから数値を確認できます。

狭い場所や、画面を直接のぞき込みにくい位置を測るときにも便利です。

数値が細かく動くときは「2秒平均」

スマートフォンのセンサー値は、端末を静かに置いていてもわずかに変動することがあります。手で持っている場合は、さらに揺れが入りやすくなります。

「2秒平均」を使うと、2秒間のセンサー値をまとめて取得し、その平均値とばらつきを確認できます。

0.2°と0.3°を行き来するような状態で、瞬間的な数値ではなく少し落ち着いた値を読みたいときに便利です。

「安定度」もあわせて見る

Pocket Levelでは、直近のセンサー値がどの程度揺れているかをもとに、測定状態の安定度も表示します。

表示されている角度だけでなく、「今、この数値を読んでよさそうか」を判断する目安として使えます。

細かな角度を確認するときは、スマホを置いてすぐに読むのではなく、少し待って値が落ち着いてから確認する方が安定します。

水平判定の許容誤差を変更する

どの程度までを「水平」とみなすかは、用途によって変わります。Pocket Levelでは水平判定の許容誤差を±0.1°、±0.3°、±0.5°、±1.0°から選択できます。

細かく確認したい場合は小さい値、ざっくり水平を確認できればよい場合は大きい値を選びます。

ここで注意したいのは、許容誤差を±0.1°に設定しても、スマートフォン自体の測定精度が±0.1°になるわけではないことです。これはあくまで「何度以内なら水平と判定するか」という基準で、センサーそのものの精度とは別です。

  • ±0.1°
  • ±0.3°
  • ±0.5°
  • ±1.0°

端末側の偏りが気になるときは180°反転で校正する

スマートフォンのセンサーには、端末ごとにわずかな偏りが含まれることがあります。Pocket Levelでは、同じ面でスマホの向きを180°変えて2回測定する「2点校正」が利用できます。

同じ面を反対向きから測ることで、面そのものの傾きと、端末側に含まれる一定のズレを切り分けやすくする仕組みです。

  • 同じ面へスマートフォンを置く
  • 1回目の値を記録する
  • 同じ面のままスマートフォンを180°回転させる
  • 2回目の値を記録する
  • 2回の測定結果から端末側の一定した偏りを推定する

2点校正でも補正できない誤差はある

2点校正を行えば、すべての誤差がなくなるわけではありません。特に影響しやすいのが、スマートフォンの形による物理的な誤差です。

カメラの出っ張り、ケースの段差、丸みのある側面、ボタンの出っ張りなどがあると、180°向きを変えたときに接地状態そのものが変わることがあります。

これはセンサー内部の偏りではなく、スマホの置き方による誤差です。そのため2点校正だけでは補正できません。

画面を見にくいときは音や振動も使える

対応している端末では、水平判定の範囲に入ったときに音や振動で知らせることもできます。

棚板などを少しずつ動かしながら調整していると、画面をずっと確認するのが難しいことがあります。音や振動を有効にしておけば、水平範囲に入ったことを画面以外でも確認できます。

利用できるかどうかは、端末やブラウザの対応状況、ユーザー設定によって異なります。

測定中に画面が消える場合

対応ブラウザでは、Pocket LevelはScreen Wake Lockを利用して、測定中に画面が消灯するのを抑えます。

ただし、Wake Lockはすべての端末やブラウザで利用できるわけではありません。利用できない場合でも、水平器としての基本的な測定には影響ありません。

iPhoneでセンサーが使えない場合

iPhoneなど一部の環境では、Webページを開いただけでモーションセンサーへアクセスすることはできません。

ユーザーがボタンを押した操作をきっかけに、センサー利用の許可を求める必要があります。そのため、ページを開いた直後に数値が表示されなくても異常とは限りません。

まず「測定を開始」を押し、許可画面が表示されたら内容を確認して許可してください。許可しなかった場合や、その後も測定できない場合は、ブラウザやOS側の設定も確認します。

file://で開くとセンサーが使えないことがある

Pocket Levelは単一HTMLとして保存して利用することもできます。ただし、スマートフォンのブラウザによっては、保存したHTMLをfile://で直接開くと傾きセンサーを利用できない場合があります。

これはPocket Levelが測定のために外部サーバーを必要としているからではありません。ブラウザ側が、モーションセンサーへのアクセスに安全なコンテキストを要求することがあるためです。

ローカルHTMLでセンサー値を取得できない場合は、HTTPSで公開されているBrowser Kitty版を利用してください。

測定したセンサー値は外部へ送信されない

Pocket Levelでは、センサー値の取得、角度計算、校正、2秒平均、安定度判定、画面表示をブラウザ内で処理します。

測定のためにカメラ、マイク、GPS、アカウント、クラウドストレージを使用することもありません。校正値や一部の設定は、利用できる場合にブラウザのlocalStorageへ保存されます。

Web版を開くときにはページ本体を取得するための通信が発生しますが、測定した傾きの値をBrowser Kittyへ送信する仕組みではありません。

  • センサー値の取得
  • 角度計算
  • 校正
  • 2秒平均
  • 安定度判定
  • 画面表示

スマホ水平器はどこまで正確?

スマートフォンを水平器として使ううえで、一番注意したいのが精度です。画面に0.1°単位で数字が表示されていても、「0.1°の精度が保証されている」という意味ではありません。

実際の測定結果には、スマートフォンのセンサー精度、センサーの校正状態、ブラウザ、ケース、カメラの出っ張り、接地方法、測定中の振動など、さまざまな要素が影響します。

そのためPocket Levelは、棚が大きく傾いていないか確認する、机や家具の水平を調整する、2つの面の傾きをそろえる、といった日常的な簡易確認に向いています。

一方で、建築施工の検査、測量、安全性に関わる測定、厳密な公差が決められている作業など、測定精度を保証する必要がある用途では、校正された専用の測定器を使用してください。

  • スマートフォンのセンサー精度
  • センサーの校正状態
  • ブラウザ
  • ケースやカメラの出っ張り
  • 接地方法
  • 測定中の振動

棚を水平にするならこの手順

棚板の水平を確認するだけなら、次の流れで使えます。

スマートフォンを棚板の上へ置けない場合は、「辺・垂直」モードで棚板の辺にスマホを当てて確認する方法もあります。

  • スマートフォンでPocket Levelを開く
  • 「測定を開始」を押す
  • 必要ならセンサー利用を許可する
  • 「平面」を選ぶ
  • 棚板の上へスマートフォンを置く
  • 前後・左右の傾きを確認する
  • 棚を調整する
  • 値が安定してからもう一度確認する

壁や柱の垂直を確認するなら

壁や柱の垂直を見る場合は「辺・垂直」を使います。

側面にボタンがある機種や、厚みのあるケースを使っている場合は、スマホが対象へまっすぐ当たっているかも確認してください。

  • Pocket Levelを開く
  • 「測定を開始」を押す
  • 「辺・垂直」を選ぶ
  • スマートフォンの辺を壁や柱へ当てる
  • 角度を確認する
  • 必要なら「固定」で読み値を残す

アプリを入れず、必要なときだけ水平を確認する

棚や家具の水平をちょっと確認したい程度なら、専用アプリをインストールしなくてもスマートフォンで対応できます。

Pocket Levelをブラウザで開き、「測定を開始」を押して、測りたい場所に合わせて「平面」または「辺・垂直」を選ぶだけです。

まずはそのまま角度を確認し、数値が揺れて読みづらければ2秒平均を使う。端末側の偏りが気になる場合は、180°反転の2点校正を試す。用途に応じて必要な機能だけ使えば十分です。

日常的な水平・垂直の確認にはスマートフォン、精度保証が必要な作業には専用の測定器、と使い分けるのがよいでしょう。

スマホを水平器として使う基本手順

  1. スマートフォンでPocket Levelを開き、「測定を開始」を押します。
  2. センサー利用の許可が表示された場合は許可します。
  3. 机や棚の上面なら「平面」、棚板の辺や壁・柱なら「辺・垂直」を選びます。
  4. スマートフォンがケースやカメラの出っ張りで傾かず、対象へ安定して接触しているか確認します。
  5. 角度、勾配%、気泡、安定度を見ながら対象を調整します。
  6. 必要に応じてゼロ設定、固定、2秒平均、180°反転2点校正を使います。
  7. 精度保証が必要な作業では、結果をスマホだけで確定せず校正された専用測定器を使用します。
Browser Kittyで試す

Pocket Level

スマートフォンの傾きセンサーを使い、水平・垂直・傾斜角・勾配を確認できるブラウザ水平器です。

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注意点

  • 最初に測定値がおかしいと感じたら、センサーより先にスマホの接地状態とケース・カメラの出っ張りを確認します。
  • 細かな角度を見るときは、置いた直後ではなく安定度が落ち着いてから読み取ります。
  • ゼロ設定は現在の面を基準にする機能で、基準面が本当に水平かを証明するものではありません。
  • file://でセンサーが使えない場合は、Browser KittyなどHTTPSで配信されたページから利用します。
  • 許容誤差の設定は水平判定のしきい値であり、スマートフォンの測定精度そのものではありません。

よくある質問

スマホだけで水平器として使えますか?

対応する傾きセンサーとブラウザがあれば、水平・垂直・傾斜の簡易確認に使えます。精度保証が必要な施工・測量用途では専用測定器を使用してください。

iPhoneで数値が出ないのはなぜですか?

一部環境では、ページを開いただけではセンサーへアクセスできません。「測定を開始」を押し、表示された権限確認を許可してください。ブラウザやOS側でセンサー利用が無効になっている場合もあります。

0°が合わないときはどうすればよいですか?

現在の面を基準にしたいだけならゼロ設定を使えます。端末側に一定した偏りがある場合は、同じ面で180°回して2回測る2点校正も利用できます。ケースやカメラの出っ張りによる接地誤差は校正では補正できません。

水平判定を±0.1°にすれば0.1°の精度になりますか?

いいえ。許容誤差は「何度以内なら水平とみなすか」という表示上の判定基準です。実際の精度は端末のセンサー、接地方法、ケース、ブラウザなどに左右されます。

センサー値はBrowser Kittyへ送信されますか?

いいえ。センサー値の取得、角度計算、平均化、校正、安定度判定、表示はブラウザ内で行います。Web版を開くための通信はありますが、測定した傾きの値をBrowser Kittyへ送信しません。

保存した単一HTMLをfile://で開いて使えますか?

ページ自体は開けますが、スマートフォンのブラウザによってはfile://からモーションセンサーを利用できません。センサー値が取得できない場合はHTTPSで公開されたBrowser Kitty版を利用してください。