表紙、本文、参考資料などが別々のPDFになっていて、「1つのPDFにまとめたい」「結合したあと、1ページ目から通し番号を付けたい」「ただし表紙にはページ番号を付けたくない」ということがあります。

提出用の資料なら、さらに不要なページを削除したり、ページ順を整えたり、CONFIDENTIAL や DRAFT の透かしを入れたりすることもあります。

それぞれ専用のPDFツールを使って処理することもできますが、工程が増えると、PDFを結合して保存し、別のツールで開いてページを整理して保存し、さらに別のツールでページ番号を追加して保存する、といったように、同じPDFを何度も保存して開き直すことになります。

Browser KittyのPDF Pipeline Builderでは、これらの処理をNodeとしてつなぎ、「結合 → ページ整理 → 表紙と本文を分ける → 本文だけにページ番号を付ける → 再結合 → 透かしを追加 → 保存」という1本のPipelineにまとめられます。PDFの処理はブラウザ内で行われ、選択したPDFが変換のためにBrowser Kittyのサーバーへアップロードされることはありません。

今回作るPDF

例として、cover.pdf(表紙)、report.pdf(本文)、appendix.pdf(参考資料)の3ファイルを使います。この3つを「表紙 → 本文 → 参考資料」の順に結合します。

ページ番号は表紙を除外し、本文の最初を1ページ目として付けます。表紙は番号なし、本文1ページ目は1、本文2ページ目は2と続き、参考資料にもその続きの番号を付けます。

最後に、完成したPDFの全ページへ CONFIDENTIAL というウォーターマークを重ねます。ポイントは、PDF結合やページ番号の追加を個別に行うのではなく、最終的な加工手順そのものをPipelineとして組めることです。

  • cover.pdf → 表紙
  • report.pdf → 本文
  • appendix.pdf → 参考資料
  • 表紙 → ページ番号なし
  • 本文1ページ目 → 1、本文2ページ目 → 2、参考資料 → 続きの番号
今回のPipeline全体
PDF Input ×3 Merge ページ整理 Split 本文だけPage Numbers 再Merge Watermark PDF Output

Splitでは表紙と本文以降に分岐し、表紙をPage Numbersへ通さずに再結合します。

1. PDF Inputを3つ用意する

まず PDF Input を3つ配置し、それぞれにPDFを読み込みます。今回は3つのPDFを1冊にまとめるため、Inputも3つ使います。

  • Input 1 → cover.pdf
  • Input 2 → report.pdf
  • Input 3 → appendix.pdf

2. Mergeで3つのPDFを結合する

次に Merge Pages を追加します。Merge Pagesでは、2〜6系統のPDFを入力順に連結できます。今回はAへ cover.pdf、Bへ report.pdf、Cへ appendix.pdf を接続し、「cover → report → appendix」の順に並んだ1つのページ列を作ります。

今回のように複数のPDFを1冊として扱い、全体で連続したページ番号を付けたい場合は、先にMergeしてからページ番号を付けます。逆に、それぞれのPDFへ先に番号を付けると、ファイルごとにページ番号が始まることになります。

Pipeline上で処理順がそのまま見えるため、「結合前に番号を付けるのか」「結合後に付けるのか」も確認しやすくなります。

3. 不要なページがあれば結合後に削除する

たとえば report.pdf の最後に不要な空白ページが入っている場合は、Mergeの後ろに Delete Pages を追加します。

Delete Pagesで指定するページ番号は、そのNodeへ到達した時点のページ列が基準です。Mergeの後ろに置いた場合は、3つのPDFを結合したあとのページ番号を指定します。

たとえば結合後の8ページ目を削除するなら 8、複数ページなら 8,12、連続範囲なら 8-10 のように入力します。

4. ページを並べ替える場合も、ページ番号より先に

ページ順を変更する場合は、ページ番号を付ける前に Select / Reorder で並べ替えておきます。Nodeは上流から順に処理されるため、「並べ替え → ページ番号」なら並べ替え後の順番に沿って番号が付きます。

反対に「ページ番号 → 並べ替え」とすると、番号を付けたページそのものを後から移動することになります。ページ削除や並べ替えなど、最終的なページ構成に関わる処理は先に済ませ、そのあとでページ番号を付ける方が扱いやすいでしょう。

5. Splitで表紙と本文を分ける

今回は表紙にページ番号を付けないため、Split Pages を使います。結合・整理後のPDFが「1 表紙、2 本文、3 本文、4 本文、5 参考資料…」となっているとします。

Split Pagesで 1 を指定すると、ページ列を Selected の1ページ目と、Rest の2ページ目以降という2系統に分けられます。

ここでPDFを実際に2ファイルへ分割して保存するわけではありません。Pipelineの途中だけ処理を分岐させ、必要な加工が終わったら再び合流させます。

6. 本文側だけPage Numbersへ通す

Split Pages の Rest 側だけを Page Numbers へ接続し、開始番号を 1 にします。これで、元のPDFでは2ページ目だった本文の先頭に「1」が付き、その後は2、3、4…と続きます。表紙はPage Numbersを通っていないため、ページ番号は付きません。

ページ番号は 1、1 / 10、Page 1、Page 1 / 10 の形式から選べます。位置も左上、上中央、右上、左下、下中央、右下から選択でき、文字サイズや余白も調整できます。

7. 表紙と番号付き本文を再結合する

この時点では、「表紙」と「ページ番号を付けた本文・参考資料」が別の流れになっています。そこで、もう一度 Merge Pages を使います。

入力順をA → 表紙、B → 番号付き本文にすると、「表紙は番号なし、本文1ページ目は1、本文2ページ目は2、本文3ページ目は3、参考資料はその続き」という1本のPDFに戻ります。

このように、必要なページだけ別の処理へ通し、あとで元の流れへ戻せるのがPipeline形式の便利なところです。

8. 全ページへCONFIDENTIALを入れる

最後に、再結合したPDFの後ろへ Watermark を追加し、文字に CONFIDENTIAL を設定します。Watermarkでは、文字のほかに濃さ、角度、位置、文字サイズ、余白を調整できます。現在、Watermarkの文字には英数字と一般的な半角記号を1〜60文字まで指定できます。

今回は「Split → Page Numbers → Merge → Watermark」という順番にしています。再結合したあとにWatermarkを置くことで、表紙を含む完成PDF全体へ同じ透かしを入れられるためです。

表紙には透かしを入れず、本文だけに入れたい場合は、本文側だけをWatermarkへ通します。同じNodeでも、Pipelineのどこに置くかによって処理対象が変わります。

9. 途中結果をPreviewする

処理が増えてくると、「結合順は合っているか」「Splitで正しいページを分けられたか」「ページ番号は1から始まっているか」といった点を途中で確認したくなります。

PDF Pipeline Builderでは、Nodeを選択すると、そのNodeまで処理した状態をPreviewできます。Mergeを選べば cover → report → appendix の順に結合されているか確認でき、Splitでは Selected と Rest を切り替えてそれぞれのページを確認できます。Page Numbersを選べば、表紙を除いたページだけに番号が付いているかを確認できます。

すべて実行してから間違いに気付くのではなく、処理の途中ごとに確認しながらPipelineを組めます。Preview用のPDFもブラウザ内で生成されます。

10. PDF Outputへつないで実行する

最後に PDF Output を接続します。「Pipelineを実行」を押すと、接続した順番に処理されます。Previewで最終結果を確認し、問題がなければPDFを保存します。

完成した処理手順
複数PDF Merge Delete / Reorder Split 本文だけ採番 再Merge Watermark PDF Output

Nodeの位置と接続順が、そのままPDFへの処理順になります。

同じ処理を繰り返すならRecipeに保存する

毎回同じ手順でPDFを加工する場合は、完成したPipelineを Recipe として保存できます。たとえば毎月、表紙PDF、月次レポートPDF、参考資料PDFを用意し、「結合 → 表紙以外にページ番号 → CONFIDENTIAL → 保存」という処理を行うケースです。

毎回Nodeを配置し直す必要はありません。次回は保存したRecipeを開き、Input 1へ今月の表紙、Input 2へ今月のレポート、Input 3へ今月の参考資料というようにファイルだけ選び直せば、同じ処理手順をそのまま使えます。

Recipeに保存されるのはNode、Node同士の接続、各Nodeの設定といった処理手順です。読み込んだPDFや生成したPDFそのものはRecipeには含まれません。同じ加工を別のPDFに繰り返し適用したいときに向いています。

Canvasを変更せずにRecipeを実行する

保存したRecipeには「Canvasに反映」と「このRecipeを使う」という使い方があります。「このRecipeを使う」では、現在編集中のCanvasを変更せず、RecipeへPDFを指定して出力Previewまで実行できます。

よく使うPDF加工手順を、専用ツールのような感覚で呼び出せる機能です。定期的に同じ形式のPDFを作る場合は、毎回Pipelineを編集する必要がありません。

別のPCへ処理手順を移すならPipeline JSON

Recipeは現在のブラウザ内に保存されます。別のPCへ処理手順を移したい場合や、Pipelineそのものをバックアップしておきたい場合は、Pipeline JSONとして保存できます。

Pipeline JSONには、Node、接続、設定、Nodeの位置、表示位置、出力ファイル名などが保存されます。PDFファイル本体は含まれません。別の環境でPipeline JSONを開いた場合は、各PDF Inputでファイルを選び直して使います。

1つずつPDFツールを使う場合との違い

PDFの結合、ページ削除、ページ番号の追加、ウォーターマークの追加には、それぞれ専用ツールがあります。単純に2つのPDFを結合するだけ、ページ番号を付けるだけ、といった用途なら専用ツールで十分です。

PDF Pipeline Builderが向いているのは、「結合 → ページを整理 → 一部のページだけ加工 → 再結合 → 全体を仕上げる」のように、複数の処理を組み合わせたい場合です。さらに、その工程を繰り返す場合はRecipeとして保存できます。

個々のPDF処理だけでなく、「どの順番で処理するか」まで含めて再利用できるのが大きな違いです。

PDFはブラウザ内で処理される

今回の例では、表紙・本文・参考資料という複数のPDFを扱いました。PDF Pipeline Builderでは、選択したPDFの処理、途中結果のPreview、Recipeの実行、PDFの生成までブラウザ内で行われます。

選択したPDFが、変換処理のために外部サーバーへアップロードされることはありません。また、単一HTML版を保存してオフラインで利用することもできます。

PDFを加工するときの注意点

PDF Pipeline Builderでは、ページを再構成して新しいPDFを生成します。そのため、元PDFに含まれるしおり、添付ファイル、フォーム、電子署名、Outlineなどの文書レベルの情報は、引き継がれない場合があります。

また、電子署名されたPDFを加工すると、署名が無効になる場合があります。重要なPDFを扱う場合は元ファイルを残しておき、生成後のPDFを確認してから利用してください。

複数のPDF加工を1本の手順にまとめる

今回のPipelineでは、「複数PDFを読み込む → 1つに結合 → 不要なページや順番を整理 → 表紙と本文を分ける → 本文だけに通し番号を付ける → 表紙と本文を再結合 → 全体へウォーターマークを追加 → PDFとして保存」という処理を行いました。

個別のPDFツールを何度も開き直す代わりに、一連の処理を1つのPipelineとして組んでおけます。途中のNodeごとに結果を確認でき、完成した手順はRecipeとして保存して別のPDFにも再利用できます。

PDF Pipeline Builderは、PDFを結合したりページ番号を付けたりする個別のツールというより、複数のPDF処理を自分の作業手順として組み立て、そのまま繰り返し使うためのツールです。

今回の手順を短くまとめると

  1. PDF Inputを3つ用意し、表紙・本文・参考資料を読み込みます。
  2. Merge Pagesで3つを「表紙 → 本文 → 参考資料」の順に結合します。
  3. 必要ならDelete PagesやSelect / Reorderで不要ページと順番を整理します。
  4. Split Pagesで1ページ目の表紙と、2ページ目以降の本文・参考資料へ分岐します。
  5. 本文側だけをPage Numbersへ通し、開始番号を1にします。
  6. 表紙と番号付き本文をMerge Pagesで再結合します。
  7. 完成PDF全体へWatermarkでCONFIDENTIALなどを追加します。
  8. 途中のNodeを選択してPreviewし、結合順やページ番号を確認します。
  9. PDF Outputへ接続してPipelineを実行し、生成PDFを保存します。
  10. 繰り返し使う場合はRecipe、持ち運びやバックアップにはPipeline JSONを保存します。
Browser Kittyで試す

PDF Pipeline Builder

PDF処理をノードで組み、途中結果を確認しながら、保存Recipeとして別のPDFにも繰り返し使えます。

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注意点

  • 通し番号を付ける場合は、結合・削除・並べ替えなど最終的なページ構成を先に決めてからPage Numbersを置くと分かりやすくなります。
  • 表紙だけ、本文だけなど一部のページへ異なる処理をしたい場合は、Split PagesとMerge Pagesで分岐・再結合します。
  • 長いPipelineはNodeごとのPreviewで段階的に確認すると、最終出力だけを見て原因を探すより修正しやすくなります。

よくある質問

複数PDFを結合したあと、1から通し番号を付けられますか?

はい。複数のPDF InputをMerge Pagesで結合し、その後ろへPage Numbersを置くと、結合後のページ列を基準に連続した番号を付けられます。

表紙だけページ番号を付けないようにできますか?

はい。Split Pagesで表紙をSelected、本文以降をRestへ分け、RestだけPage Numbersへ通してからMerge Pagesで再結合できます。

Merge Pagesはいくつの入力を結合できますか?

現在のMerge Pagesは2〜6系統を入力順に結合できます。さらに多いファイルを扱う場合は、複数のMerge Pagesを段階的に組み合わせる方法もあります。

作ったPipelineを別のPDFにも使えますか?

はい。同じブラウザで繰り返すならRecipeとして保存できます。バックアップや別PCへの移動にはPipeline JSONを使えます。どちらもPDF本体は保存しないため、入力ファイルは選び直します。

選択したPDFはサーバーへアップロードされますか?

いいえ。Web版では最初のHTML配信は発生しますが、選択したPDFの処理、途中結果Preview、Recipe実行、PDF生成はブラウザ内で行い、PDF内容を変換のために外部へ送信しません。

元PDFのしおりや電子署名はそのまま残りますか?

保証されません。ページを再構成するため、しおり、添付ファイル、フォーム、電子署名、Outlineなどの文書レベル情報を引き継げない場合があります。電子署名付きPDFを加工すると署名が無効になる場合もあります。