会議室や講義でプレゼンするとき、PCの前から離れてページを送りたい場面があります。専用のプレゼンリモコンを用意する方法もありますが、普段使っているスマホをそのままリモコンにできれば、持ち物を増やさずに済みます。
Presentation Remoteは、発表用PCのブラウザでPPTXまたはPDFを開き、スマホとQRでWebRTC接続するブラウザツールです。資料ファイル本体はPC側に残したまま、ページ送り、黒画面、スライド直接移動、ポインターを操作できます。Presenter Viewを使えば、現在・次スライドとPowerPointの発表者ノートもスマホで確認できます。ここでは、接続前の準備から発表中の操作、つながらない場合に確認したい点まで順番に説明します。
まずPCで資料を開き、同じネットワークを確認する
発表用PCでPresentation Remoteを開き、PPTXまたはPDFを選択します。現在のUIでは1ファイル最大150 MBまでです。読み込んだ資料はPCのブラウザ内で解析・表示され、資料ファイル本体をアプリのサーバーへアップロードする方式ではありません。スマホを使わず、PC側のキーボードや画面操作だけで発表することもできます。
スマホをリモコンにする場合は、PCとスマホを相互通信できる同じWi-Fi / LANへ接続しておきます。Presentation Remoteはシグナリングサーバー、STUN、TURNを使わず端末間を直接つなぐため、ゲストWi-Fiの端末分離、VPN、厳しいファイアウォールなどがある環境では接続できない場合があります。
PCとスマホでQRを往復して接続する
PC側で「スマホを接続」を押すと接続用QRが表示されます。スマホでもPresentation Remoteを開いて「スマホで操作」を選び、カメラでPCのQRを読み取ります。するとスマホ側に返答QRが表示されるので、今度はPCでそのQRを読み取ります。
この2回のQR読み取りが終わると、PCとスマホのブラウザ間でWebRTC接続が確立します。サーバー上のアカウントやペアリングコードを使う方式ではありません。カメラ権限やWebRTC APIの対応状況はブラウザ・OSによって異なるため、発表本番の前に実際に使うPCとスマホの組み合わせで一度接続確認しておくと安心です。
Presenter Viewで次スライドと発表者ノートを手元に置く
スマホではPresenter ViewをONにすると、現在スライドを大きく、次スライドを小さく表示できます。PowerPointに発表者ノートが入っているPPTXでは、現在スライドのノートもスマホ側で確認できます。ノート欄は開閉でき、長いノートは欄内をスクロールできます。PDFにはPowerPointの発表者ノートがないため、PDF利用時はノート表示はありません。
Presenter Viewを使うと、操作情報に加えて現在・次スライドの低解像度プレビューと現在スライドのPowerPoint発表者ノートがPCからスマホへWebRTCで直接送信されます。資料ファイル本体そのものをスマホへ送るわけではありません。プレビューやノートが不要ならPresenter ViewをOFFにして、シンプルなリモコンとして使えます。
発表中はページ送り以外の操作もスマホにまとめる
スマホ側では大きな「次へ」「戻る」に加え、左右スワイプ、黒画面、スライド番号からの直接移動、タイマー、タッチポインターを利用できます。対応する端末とブラウザでは、Device Orientationを使ってスマホの向きでポインターを動かすモーション操作や、発表中に画面がスリープしにくくなるScreen Wake Lockも使えます。
全画面表示の開始はブラウザの制限により発表用PC側でユーザー操作が必要です。また、センサー、振動、Wake Lock、カメラなどは端末・OS・ブラウザの対応や権限に依存します。発表中に初めて試すのではなく、使う予定の操作だけでも事前に一度確認しておくとトラブルを減らせます。
接続できないときはWi-Fiの種類とVPNを先に見る
QRを正しく読み取れても接続が完了しない場合は、まずPCとスマホが同じLANにいるか、VPNが有効になっていないか、ゲストWi-Fiや端末分離が使われていないかを確認します。企業・学校・ホテルなどのネットワークでは、同じSSIDに見えても端末同士の直接通信が禁止されていることがあります。
Presentation RemoteはSTUN / TURNによる中継を行わないため、そのようなネットワーク制限を回避して外部サーバー経由でつなぐことはしません。接続診断には候補ペアや疎通確認の状況が表示されるので、原因の目安として利用できます。発表場所のネットワークが不明な場合は、事前確認をしておくのが確実です。
手順
- 発表用PCでPresentation Remoteを開き、PPTXまたはPDFを選択します。
- PCとスマホを相互通信できる同じWi-Fi / LANへ接続します。
- PCで「スマホを接続」を押して接続用QRを表示します。
- スマホでPresentation Remoteを開き、「スマホで操作」からPCのQRを読み取ります。
- スマホに表示された返答QRをPCで読み取り、WebRTC接続を完了します。
- 必要ならPresenter ViewをONにし、現在・次スライドとPowerPointの発表者ノートを確認します。
- 次へ / 戻る、左右スワイプ、黒画面、スライド直接移動、ポインターなどを使って発表します。
Presentation Remote
手元のPPTX / PDFをPCで開き、QRでつないだスマホからスライド操作。現在・次スライドや発表者ノートも確認できます。
注意点
- 本番前に、実際に使うPC・スマホ・会場Wi-Fiの組み合わせで一度QR接続まで確認しておくと安心です。
- ゲストWi-Fiや端末分離があるネットワークでは、同じSSIDでもPCとスマホが直接通信できない場合があります。
- PowerPointの発表者ノートを使いたい場合はPPTXで開きます。PDFにはPowerPointの発表者ノートはありません。
- プレビューやノートをスマホへ送る必要がない場合はPresenter ViewをOFFにすると、よりシンプルなリモコンとして使えます。
よくある質問
PPTXやPDFはスマホやサーバーへ送信されますか?
資料ファイル本体は発表用PCのブラウザ内で解析・表示し、アプリのサーバーへアップロードしません。スマホ接続時は操作情報が端末間で直接送られ、Presenter ViewをONにすると低解像度の現在・次スライドとPowerPoint発表者ノートもPCからスマホへ直接送信されます。
PCとスマホは同じWi-Fiに接続する必要がありますか?
基本的には必要です。シグナリングサーバー、STUN、TURNを使わない直接接続なので、2台が相互通信できる同じWi-Fi / LANが前提です。ゲストWi-Fi、端末分離、VPN、厳しいファイアウォールでは接続できない場合があります。
PDFでもPresenter Viewを使えますか?
現在スライドと次スライドのプレビューは利用できます。ただしPDFにはPowerPointの発表者ノートがないため、ノート欄にはPowerPointノートは表示されません。
専用アプリをスマホへインストールする必要がありますか?
ありません。PCとスマホの両方でブラウザからPresentation Remoteを開いて使います。スマホ接続はQRを使って行います。
QRは読めるのに接続できない場合は何を確認しますか?
PCとスマホが相互通信できる同じLANにいるか、VPNが有効でないか、ゲストWi-Fiや端末分離が使われていないかを確認します。会場ネットワークが端末間通信を禁止している場合、Presentation Remoteは外部の中継サーバーを使って回避しません。