PowerPointの資料を社外へ渡す前に、発表者ノートをまとめて消したいことがあります。スライドには表示されていなくても、PPTXを受け取った相手はノート欄を開いて内容を確認できます。
ノートに読み上げ原稿や自分用のメモを書いていた場合、スライドを1枚ずつ開いて消すのは面倒です。PowerPointの「ドキュメント検査」を使えば、ノートを一括削除できます。
PowerPointが手元にない場合は、Browser Kittyの「Office Privacy Inspector」を使って、発表者ノートの確認・削除・保存までブラウザ内で行う方法もあります。どちらも元ファイルを残して作業しましょう。
1. 先に元のPPTXを残す
発表者ノートは、後で同じ資料を使って説明するときに必要になるかもしれません。削除する前に、共有用とは別に元のPPTXを残しておきます。
PowerPointで削除する場合は、先に「名前を付けて保存」で共有用コピーを作ります。Office Privacy Inspectorを使う場合は、元ファイルを上書きせずに別のコピーが作られます。
2. PowerPointの「ドキュメント検査」で一括削除する
デスクトップ版PowerPointの対応バージョンでは、共有用コピーを開き、「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「ドキュメントの検査」へ進みます。メニューの表示はバージョンによって異なる場合があります。
「プレゼンテーション ノート」が検査対象になっていることを確認して「検査」を実行し、該当項目の「すべて削除」を選びます。その後「再検査」で残っていないか確認し、ファイルを保存します。
Microsoftのドキュメント検査が削除するのは、ノート欄に追加されたテキストです。ノート欄の画像は削除できないと案内されているため、画像などを含むノートは別途確認してください。
3. PowerPointがない場合はPPTXをブラウザで開く
Browser Kittyの「Office Privacy Inspector」を開き、「ファイルを選択」からPPTXを読み込みます。PCではドラッグ&ドロップでも構いません。登録やインストールは不要です。
読み込み後、「共有前に確認したい情報」と「PowerPoint固有の確認項目」を見て、「発表者ノート」が見つかっているか確認します。スライドごとの内容や件数を確認してから削除するか決められます。
このツールがクリーンアップできるのは通常のPPTXです。パスワード保護されたファイルや古いPPT形式は読み込めず、マクロ有効のPPTMは検査のみの対応です。
4. 「発表者ノートをすべて削除」を選ぶ
「クリーンアップする情報を選択」で「発表者ノートをすべて削除」にチェックを入れます。ノート削除は初期状態では選択されていないため、自分で有効にする必要があります。
一部のスライドだけ消したい場合は、スライドごとに表示される発表者ノートの項目を選ぶ方法もあります。残したいスライドのノートまで消さないようにしてください。
作成者名や最終更新者など、ノート以外の基本メタデータは最初から削除対象に選ばれる場合があります。ノートだけを消したいなら、そのほかのチェックも確認して不要な選択を外します。
5. クリーンアップして保存する
「クリーンアップしてコピーを作成」を押します。ノートをまとめて削除するときは確認ダイアログが出るため、削除対象を確認してから実行します。元のPPTXが上書きされることはありません。
完了後は自動で再検査され、「削除前 / 削除後」の件数と、まだ残っている確認項目が表示されます。ノートが残っていないか確認してから、保存ファイル名を決めてPPTXをダウンロードします。
再検査が完了しなかった場合は、削除できたと決めつけず、保存したファイルをPowerPointなどで開いて確認してください。大切な資料ではスライドの見た目やノート欄も念のため見直しましょう。
6. 非表示スライドやコメントは別に確認する
ノートを消しても、非表示スライド、スライド外の文字や図形、コメントなどが一緒に消えるわけではありません。配布するファイルでは、ノート以外に見せたくない情報がないかも確認します。
Office Privacy Inspectorでは非表示スライドやスライド外の要素を検出できますが、これらは自動削除の対象外です。PowerPointのコメントは別の削除項目として選べます。
検査結果が0件でも、スライド本文・図・画像内に機密情報がないことまで保証するものではありません。共有前にはファイルそのものを確認してください。
7. ノートを削除できない場合
パスワード付きPPTX、古いPPT形式、マクロやActiveXを含むファイルなどは、Office Privacy Inspectorで削除できない場合があります。デジタル署名付きファイルや一部解析できなかったファイルは、検査のみの状態になります。
こうした場合は、対応するPowerPointで元ファイルのコピーを開き、形式や保護状態を確認してから「ドキュメント検査」を試してください。元の署名・マクロ・機能を保持する必要がある場合は、勝手に変換せず確認が必要です。
削除したノートが必要になっても、共有用ファイルから元に戻せるとは限りません。作業前の元ファイルを保管しておくことが重要です。
PPTXの内容はサーバーへ送られる?
Office Privacy Inspectorは、PPTXの読み込み、発表者ノートの検出、削除、再検査と保存用コピーの作成まで、ブラウザ内で処理します。選んだファイルを変換用サーバーへアップロードしません。
Web版は最初にHTMLを取得する通信が発生しますが、処理中の外部通信はCSPで制限しています。配布用の単一HTML版は、対応ブラウザでオフラインでも利用できます。
Office Privacy Inspector
Word・Excel・PowerPointのメタデータ、コメント、非表示情報、外部参照などを共有前に確認し、対応項目を削除して再検査します。
参考資料
PowerPoint標準機能の手順はMicrosoftの公式サポート、ブラウザでの操作・制限はOffice Privacy InspectorのREADMEを参考にしています。
- Microsoft サポート ドキュメント検査で非表示データ・個人情報を削除する
- Office Privacy Inspector 操作方法・対応形式と制限事項